フランスワイン生産者を巡る旅 No.4 ブルゴーニュ(コート・ドール)

2023.5.12.

こんにちは、ラ・ヴィネの店長 阿保です。

今日は朝から有名生産者をいろいろ訪問予定です。

相変わらず今日も薄曇りで寒いですが、ひとまず大丈夫そうです。

さて、まず最初の訪問先はラルサネ・ラ・コート村の蔵元DOMAINE BARTです。

ラ・ヴィネでもここ数年よくご紹介している蔵元です。名匠クレール・ダユの系統にあり、早くから注目されたブリュノ・クレールに比べて遅れて知名度を上げている感があります。

なんといってもその評価を上げているのが、若いマルタン・バールの力でしょうか。

ここ数年は特に素晴らしい味わいだと思います。味わっていただければその実力は確実に実感できるでしょう。高騰するブルゴーニュでも掘り出し物であることは間違いありません。

挨拶もそこそこに、そのバラエティに富んだマルサネのキュヴェをいろいろ樽からテイスティングです。

樽から次々に抜き取られるワインをテイスティングしながら、写真も撮り、話を聞き、質問も行いながらメモを取る・・・いや~久しぶりのブルゴーニュでのテイスティングはハードですね。

蔵元の名高い特級2種、アタックが柔らかく後半力強く収斂するボンヌ・マール。逆にアタックがアグレッシブで余韻がとても上品で長い余韻が続く、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズは興味深い!

そして、ブラインドだと多くの方が最も評価しそうなフィクサンの一級レ・ザルヴレットはやはりMy favorite.

お次の訪問は、自身では初訪問となるヴォーヌ・ロマネ村の蔵元GEORGES MUGNERET GIBOURGです。(昨年11月にソムリエ鈴木も訪問してしっかりと味わってます!)

近年市場価格が爆上がりしており、みんなが飲んでみたいワインを造るトップクラスの人気生産者です。

出色のACブルゴーニュから極めつけのリュショット・シャンベルタンまで、マロラクティックの終わったばかりの樽からの試飲はとても刺激的です。

初めてお会いした長女マリー・クリスティーヌさんと次女マリー・アンドレさんと写真もばっちりです。

樽試飲での問題は、同じ原酒でも10樽あれば10通りの味わいの違いがあること、それを熟知したマリー・アンドレさんはカラフェに複数樽の原酒を抜き取ってブレンドして試飲、また樽口はワインの出し入れが多く、雑菌の繁殖の危険性が高いということで、ワックスを塗るなど、そのきめ細かな対応が今の蔵元の強烈なる高い評価を得ているのかと、感じらせられました。

蔵元での試飲で、特に面白かったのはやはりクロ・ド・ヴージョ。蔵元のすべてのキュヴェが黒い果実を思わせる熟度なのに、クロ・ド・ヴージョだけは赤い果実の熟した淡い味わい。これはレイマリー・セシ訪問時でも感じたもので、クロ・ド・ヴージョのテロワールが一貫しているということであると実感させられました。

お昼は、ムルソーでよくいくビストロに向かったら、婚礼対応の貸し切りという残念な結果、仕方がないので、お向いさんのレストランで、シャロレー牛のアントレコートにエポワスのソースでしっかりとお腹いっぱい頂きました。

さて、午後は10年前まで何度か取り扱っていたサントネイ村の蔵元BACHEY LEGROSを訪問。ここではまだマロラクティックの終わっていない2022年ものの樽からのテイスティングは出来ないとのダメだし、代わりに僅かな生産量の希少な2021年もののボトルを気前よく何本も開けてもらいました。

ちょっと線の細い印象の2021年でしたが、蔵元の仕込むものは赤も白もびっくりするほどのリッチな仕上りで、アルコールもしっかりとしています。これは凄い!

急に雨が降り出してテンション下がりますが、次に向かいます。

お次は、ムルソー村の蔵元LATOUR GIRAUDです。こちらは10年前に一度訪問している蔵元で、相変わらず知的で穏やかな印象のジャン・ピエール・ラトゥールさんにご対応いただきました。

何と言っても、蔵元はムルソーの主要な一級を全てラインアップしているため、その並行テイスティングはとても興味深いもの!教科書を頭で読むのではなく、「教科書を舌で味わう」感じです。

いや~、一か月前にほぼマロラクティックの終わった2022年ものはかなり旨い!

2022年は豊作かと思いきや、霜で結構やられていて、例年の収量の20%減だそうです・・・とほほ

そして本日最後は、やはりブルゴーニュ訪問では顔を出さないわけにはいかない、FROULOT LAROSEです。

相変わらずお忙しい様子のニコラさんと久美子さん、そしてコント・ラフォンで働く長男フランソワ、そしてルフレーヴでスタジエしている次男ミシェル。凄いな~

ニコラさん、今年60歳だそうです。還暦おめでとうございます(笑)

今日も充実した訪問を終えて、ボーヌ旧市街で食事、さすがに金曜日で人気店は全てコンプレ。仕方なく観光客向けのお店でジャンボン・ペルシエとプーレ・オ・シュプレームで締めました。

ようやく雨の止んだ夜21:30の夕暮れのオテル・デューを横目にホテルに戻ります。 明日もブルゴーニュの蔵元を精力的に巡っていきます。