【フランス買い付けの旅4】~ヌーヴォーが解禁間近のボジョレー編~

360度見渡せる丘の上に十字架を発見

買い付けの旅の最後のエリアはブルゴーニュです。まずは南部のボジョレー地区から。2022年の作柄がストレートに表現されているヌーヴォーの解禁が11月17日に迫るので注目したいところです!最初に発見したのは、小高い丘の上にある十字架です。クリュ・ボジョレーの村々やプイィ・フュイッセを一望でき、抜群の日照に恵まれた場所に存在感のある佇まいでした。

フェミニンなスタイルが人気の蔵元 ~ドメーヌ・マトレー~

ラ・ヴィネでは毎年ヌーヴォーを分けてもらっているジュリエナ村の蔵元。五代目の当主リリアンさんは元ラグビー選手というのも納得の体格。現在は娘さんのセリアさんも加わりワインを手掛けています。そのワインはどれも女性的で滑らかな味わいです。特に人気のヌーヴォーは、当日案内してくれたセリアさんのお母さんがデザインされたラベルのイメージ通りの仕上がり。薫り高く非常に華やかなのが特徴です。


ヌーヴォーは専用の区画から丁寧に仕込んでいます。

蔵元は北部のジュリエナ村に居を構えていますが、ヌーヴォーは隣接するサンタ・ムール村付近にある小区画の厳選された葡萄で丁寧に仕込んでいます。その区画は僅か0.5ヘクタールほど!毎年少量のみ仕込んでいるのですが、深いお付き合いのあるラ・ヴィネでは今年も分けてもらっています。

2022年は成熟度高い仕上がりです!

近年、フランスは遅霜や雹の被害が多く、厳しい作柄となっているところが多いのですが、マトレーの区画は健全な葡萄が収穫できたとの事でした。写真の通り色づきも良く小粒で、房に実った葡萄はどれも非常に健康的な印象です。葡萄の段階でも糖度の高い芳醇な味わいが楽しめるのですが、ワインにすることで本来持っている様々な要素が出てくるのが楽しみですね!

拘りの製法 ~セミマセラシオン・カルボニック~

セミマセラシオンカルボニックという製法で仕込むのがこの蔵元の拘りです。

通常ヌーヴォーを仕込む際の製法としてマセラシオン・カルボニックというものがあります。これは破砕しない葡萄を丸ごと大量にタンクの中に入れ、炭酸ガスや二酸化炭素をタンク内に入れ色素の抽出を促し短時間で仕込む製法です。しかしセミマセラシオン・カルボニックという方法は、タンク内に葡萄の房を多く入れその重さで下の方が潰れ、自然に二酸化炭素が発生し発酵が進む方法です。さらにマトレーでは、より果汁の比率を多くして、通常よりも醸し期間を長く、ゆっくり色素などや芳香成分を抽出する方法をとっています。その為、一般的なヌーヴォーにありがちな甘い風味はなく、綺麗なベリーの風味に程よいスパイスの風味が混じる本格的なワインの味わいに仕上がっています。

忙しい時期ですが温かく迎えてくれました。

訪問したらちょうどラ・ヴィネ行きのヌーヴォーの箱がパレットに摘まれて出荷準備が整っていました。聞いたらなんと、明日日本へ向けて旅立つとの事でした!時期的にも他の訪問客がいたり、まだまだ他のワインを仕込んでいる忙しい時期にもかかわらず、暖かく迎えていただき本当に感謝しています。

11月17日の解禁が待ち遠しいですね!