フランスワイン買い付け訪問記 No.5 ブルゴーニュ南部へ

さて、今週は買い付け3日目となるブルゴーニュ南部へ。この日は一日天候に恵まれ、快適に蔵訪問することができました。

この日まず向かったのは、シャサーニュ・モンラッシェを更に下り、コート・ド・ボーヌを抜けたシャロネーズ地区にあるブーズロン。ブルゴーニュ地方でも唯一アリゴテで村名を名乗れるAOCとしても有名ですね。

ブーズロンといえば何と言ってもヴィレーヌ。DRCの共同経営者であり、その先見の明をもってこの地の高いポテンシャルにいち早く着目し、AOC認定にも尽力した蔵元です。

1件目は、そのブーズロンでビオロジックを行う蔵元。畑に案内してもらうと、思わず「ワオ!」と言ってしまったほど緑の生い茂った健康的な畑が広がっていました!

こちらは農薬など科学的なものは一切使用せず、代わりに畑に害虫・害獣が嫌がるハーブや花を植えて葡萄栽培を行っており、この出張中見た畑の中でも特に印象的でした。

若い生産者で、ボーヌのレストランやガストロノミーのシェフたちと交流が多いそうで、醸造においても彼らの意見をきいて、柔軟な思考でワイン造りを行っており、特に白は印象深い仕上りでした。こちらは輸入されるまで乞うご期待!

前日と比べ、この日は新規生産者訪問が多く、詳しくはご紹介できませんが、コート・ド・ボーヌの南端マランジェやサントネイなど、ニッチで有機栽培など自然なワイン造りを行う生産者を多く回りました。

ブルゴーニュ最後の訪問となったのが、ラ・ヴィネでも非常に人気があり、ここ数年はフランス国内外でも高い評価と注目を受けるサン・トーバン村の名門ジャン・クロード・バシュレ。

前日のベルトー・ジェルベ同様、こちらも訪問時は蔵の拡張工事を行っており、蔵のトレードマークである大看板が一時外されていたため、何度も蔵の前を通り過ぎては戻りを繰り返してしまいましたが、何とか予定時間ギリギリに到着。

今回は兄と共に当主を務めるジャン・バプティストさんが対応してくれました。この蔵は特殊な醸造・熟成を行っており、ステンレスタンク→樽→ステンレスタンクと、一般的な蔵元よりも長くワインを寝かせてから瓶詰を行っています。

今回は21年をタンクから頂きました。ここも21年は難しいと言いつつ、どのキュヴェも非常にレベルの高いのに驚かされました。白はさることながら、赤もポテンシャル高く、改めてこの蔵のレベルの高さを実感しました。

唯一他のキュヴェよりもさらに長期間樽熟している特級ビアンヴェニュ・バタールは特に素晴らしく、その純度の高い果実味と複雑味、上質なミネラル感が渾然一体となった味わいは感動ものでした。この蔵はこの日最後の訪問だったので、吐器には吐かず全て美味しく頂きました。最後の訪問にして大正解でした。

この日はボーヌに戻ったあと、ワインショップを巡りました。特にこのショップは品揃えよく、古酒なども多く揃えており、日本人の女性が働いていて、色々と現地情報も教えてもらいました!

後から知ったのですが、現在このワインショップのすぐ隣に、シャブリ、マコンにも設立されたブルゴーニュワインの博物館「シテ・デ・クリマ・エ・ヴァン」のボーヌ館が建設されているので、観光などで訪問する際はぜひ訪れてみてください。

最後にこの日食べた料理を少し。

お昼のクロックムッシュから始まり、魅力的なシャルキュトリーや夜のエスカルゴ、プーレ・ア・ラ・クレームなど、どこで食べても美味しく、そしてハイカロリー。。。皆様も観光や訪問の際は食べ過ぎにはご注意ください。

それではまた来週。A Bientot!