トゥールーズの東、南西地方の地酒ガイヤック

こんにちは、ラ・ヴィネ 店長の阿保です。

オーヴェルニュ地方も大分南に下ったLempdes-sur-Allagnonという小さな村のオートルート沿いにある、アメリカのモーテルを思わせる平屋のホテル・レストランに宿泊した今朝、とても心地よい晴天ですが、外に出るとブルブル震える寒さ、辺りを見ると、芝生には結構な霜が降りて真っ白です。

とてもなだらかな感じなので、ついつい見落としがちですが、オーヴェルニュ地方は中央高地と呼ばれており、全体的には標高が高いため、結構寒いんですよね。

さて、今日はまた大きく移動です。

ブルゴーニュやローヌを縦断するルート・デュ・ソレイユに比べて、フランス中央を縦断するオート・ルートはとっても快適で渋滞の気配がありません。

ひたすら南下を続けて、約3時間。ようやく到着したのが、南西地方のガイヤックです。

昨年訪問したフロントンは、トゥールーズの西に広がる産地で、ガイヤックは東に広がる産地です。

今回はこちらで2件の蔵元を訪問する予定です。

午後一番でまず訪問するのは、この地の老舗の蔵元です。近年では有機栽培のAB認証も取り、ますます評価を上げている蔵元です。

この地の固有種である白葡萄のラン・ド・レル、そして黒葡萄のデュラス、ブロコル、プリュネラールなど、非常に個性的でフランスの地方色を感じさせ、且つ味わいとしてよいものを探すための訪問です。

いきなり蔵元の前には如何にも高樹齢の葡萄樹が植わっていますが、これはデュラスの樹齢50年ものだということです。

早速フランシス・マールさんに蔵元の紹介をしてもらい、有機栽培で酸化防止剤も使用しないワインをテイスティングさせてもらいました。

赤も白もやはりこの土地固有の品種特性を感じさせる味わいに嬉しくなります。

そして出色なのが、甘口です。2種類のデザートワインは、簡単にいうと、少し酸度が低く、濃密な甘さと複雑さがストレートに感じられるもので、上質なソーテルヌを思わせる貴腐ワインです。そして更に驚かされたのが、そのお値段です。本当に冗談かと思いました!

さて、二件目ですが、こちらは優れたビオワインを生み出す蔵元ですが、どちらかと言えばオー・ド・ヴィを生み出す蒸留所としての方がフランス国内では有名なお馴染みの蔵元です。

以前、こちらの洋梨のオー・ド・ヴィを仕入れたことがあり、とても素晴らしかった記憶があり、一度訪問してみたいと思っていたところです。

当日は当主のローランが不在でしたが、機関銃のようにしゃべるジョアンナさんが対応してくれました。

ワインは、土地固有の品種を大事にして仕込まれますが、アペラシオンは取らず、全てをヴァン・ド・フランスでリリースしています。

ちょっととがった感じですが、その味わいはビオワインとしても素晴らしい出来栄えでした。

そして有名な蒸留酒ですが、これまたハードなテイスティングですが、いろいろ味わうことができました。ちょっと変わったところだと、スペルト小麦の蒸留酒やトマトのリキュールなど、ユニークですが、味わいもなかなかのもので興味が尽きません。

ハードながらも、とても楽しいテイスティングができました。

さて、本日訪問した蔵元は2件でしたが、とても充実した生産者訪問となりました。昨年はフロントンを巡り、日本ではとてもマニアックで珍しいだけの切り口になりやすいエリアのワインではありますが、この地の素晴らしいワインの魅力をしっかりとお伝えできるようにしていきたいと、改めて感じる日となりました。

ガイヤックを流れるタルン河、はるか遠くのボルドーのジロンド河に合流して流れていきます。

今日の宿泊先は、少し南東に行った有名な古い町並みのCastresです。

とても古い町並みが雰囲気抜群です。

ちなみに、結構安くて古めのホテルを予約したら、なにやら大きな部屋にびっくりです。帰って寝るだけの部屋にはもったいない!

ホテルでおすすめを聞いて訪問したレストランは、ミシュランのビブ・グルマンになっているお店でした。なかなか美味しく、せっかくなのでお手頃なガイヤックの赤ワインで料理を楽しませていただきました。

明日は、いよいよラングドックに入ります。ラ・ヴィネでも大人気の、ラングドック最高の蔵元を訪問予定!

マルレーヌ・ソリアさんは元気かな。